製品の品質保持に必要な計測器のトレーサビリティと校正について

製品品質の保持や証明に必要なこととは

1つの製品に対して様々な工場で製造された部品を組み合わせることが当たり前になっている中、製品の品質を保持するためにはそれらの部品が統一された基準に従っている必要があります。そのために製品製造や開発の現場では日々様々な計測器が使われていますが、それらの機器がいつどこでどのように校正されたかを示すこと、より一般的には国際、国家基準に従って品質保持されてきたかを示すことを計測器のトレーサビリティと言います。これを実現するためにはどのようなことをする必要があるかを見ていきましょう。

機器のトレーサビリティに必要なこととは

各工場や現場で製造された製品の品質を測定するためには、様々な計測器が使われます。長さを測るノギスやマイクロメーター。重さを測る精密測り。これらはメーカーから出荷される際に各種の基準に従った値を示すかどうかを検定した証明書をつけられていますが、使っていくうちに測定部の摩耗や汚れの付着などで出荷当時の基準を満たせなくなっている可能性があります。そのため製品の品質を保証するためには、これらの機器が基準に従った状態であるかどうかを再度検証する必要があるのです。その検証に必要なのが機器が正しく動作しているかを確認する校正であり、それを続けていくことがトレーサビリティとなるわけです。

機器の校正方法には何があるのか

それではその校正にはどのような方法があるのでしょうか。もちろん自社で標準器を使って行うこともできますが、そのための人員や作業時間が必要になることやその技術を持った人材も必要になり、多額のコストを払うことになるでしょう。事業の規模にもよりますが、機器の製造メーカーや専門の業者に依頼することが一般的だと思われます。その際に考慮するものとして、ISO/IEC17025という国際基準があります。これの認定を受けた業者であれば各国の国家基準に従った証明をすることができるため、各工場ともISO/IEC17025認定業者に依頼して統一的な製品の品質保持を行うことができるようになります。また、外部に対しても製品製造過程や販売する製品に対して公的な証明をすることができるようになるため、販売先との信頼関係構築に寄与することになるでしょう。このように、計測器のトレーサビリティは製品製造過程において非常に重要な位置を占めるようになっています。取引相手にそれらを求められて慌てないためにも、しっかりと対応を検討しておきましょう。

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