計測器の校正とトレーサビリティ証明書の必要性

そもそも機器類のトレーサビリティとは

トレーサビリティの意味は追跡可能です。計測器は定期的な校正が求められていますが、切れ目なく校正をおこなった証明文書が必要であり、それがあってはじめて計測器の信頼性、ひいては企業の信頼性が証明可能となります。業界では適切な校正がされていることや、その基準が国家標準までさかのぼれることが重要であり、どんな標準器で校正がなされたかを明らかにできなければなりません。製造現場などで日々使用している機器類が、常に信頼できる範囲の測定をしていることを担保する仕組みと言えるでしょう。

機器の測定結果を構成する要素とは

証明の構成要素としては、ISO/IECGuide99:2007において、校正が切れ目なく連鎖していることや測定の不確かさ、校正技術が定義されています。またそれが校正証明書や基準機検査成績書などの形で文書化されていることや、どれくらいの周期で校正をおこなっているか、国際単位系(SI)の使用なども含まれます。特に現代は世界の国家標準が国家間で比較され、正確さが確認されていますので(国際比較)事業のグローバル化のためにも対応は必須です。国際相互承認で測定データが世界中同じであることが保証されるため、海外で販売しても信頼性を担保できる仕組みになっています。つまり、あらゆる事業において計測機器のトレーサビリティの必要性は高まる一方であり、それに応じて証明書の必要性も高まっていると言えます。

校正証明書類3点セットの内容とは

計測器の校正証明書類は3点セットで構成されており、校正証明書と基準器検査成績書、トレーサビリティ体系図となっています。いかなる取り引きにおいても、この3点は必要書類と心得ましょう。クライアントや取引先から、いつ提出を求められても即座に用意できるようにしておくことが重要ですが、基本的にこれらは校正を請け負う業者が用意するものです。校正証明書は、機器の返却時に添付されているものをチェックしてください。JCSSなどのロゴが付いたものとないものとがありますが、ロゴ付きのもののほうがより信頼性が高いです。検定では基準器を使うことが計量法で義務づけられているので、特定計量器で校正したことを証明する書類が基準器検査成績書となります。体系図は、国家標準までさかのぼれる構成図です。ただし校正先がISO9001やISO/IEC17025を取得している機関である場合、基本的には提出の必要性はありません。

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